声優養成所『Studio ONE』の体験レッスンに潜入‐大阪府八尾市

大阪府八尾市情報




声優の世界は「(目指す人の)99%は挫折する」と語る、代表で講師の香月真緒さん。

目指す人口が約30~50万人といわれるなか、うちプロ声優は男女合わせて1500人と言われており、それだけ長く険しい世界であることが分かります。

そんな厳しい業界でも、プロデビューを目指す塾生のために真緒さんは「私は不思議なことに勝ち方を知っています。大手事務所の養成所に入る力、デビューするまでの間に戦える武器を提供しています」と、自身がもつ技を伝授しているとのことです。

熱い考えや講師力をもつ真緒さん。一見『厳しい人』と思うかもしれませんが、全くの正反対。むしろ物腰柔らかく、丁寧にゆっくりと指導してくれます。

そんな真緒さんの声優養成所Studio ONEの体験レッスンに潜入してみました。

まずは真緒さん&養成所を紹介


真緒さんは、青二塾大阪校卒塾で、青二プロ、劇団芸協を経て帰阪後、大阪府八尾市で声優養成所Studio ONEの代表兼講師を務めています。呼称は先生ではなく真緒さん。

養成所では、「プロデビューしてもここに来たらプロアマ問わずみんな横一列だよ」と、誰もが通いやすい環境にしています。また、プロ声優が出入りする養成所にすることで、塾生たちがよりリアルにプロと自身の違い、目指すべき道を体感できるようにしているそうです。

体験レッスンに潜入してみた


物腰柔らかく丁寧に指導する真緒さんが、一体どんな感じでレッスンを行っているのか?を潜入取材してきました。

今回、体験レッスンに訪れたのは20代の女性です。

いきなりレッスンをスタートするのではなくまずは雑談をして、お互いがどんな人物かなどの知り合ってから、ゆっくり講習に入っていきます。真緒さんの養成所ではシェイクスピアを題材にしており、講師と塾生で登場人物を演じて、演技や表現方法、感情の込め方などを学びます。


最初に読み合わせをしたのはロミオとジュリエット。真緒さんがロミオ役、体験レッスン生がジュリエット役で、1シーンを一気に演じ切ります。

演技に入ると普段、柔らかい話し方をする真緒さんもやはりプロ。一瞬で役に入り切り、いつもとは違う声でロミオを演じ切ります。体験レッスン生もセリフを噛んでも止まることなく最後まで読み切ります。

台本を読んだあとは体験レッスン生のヒアリングを行い、真緒さんなりの視点で、どこが良かったか悪かったかなどの評価、どういう演技がまっすぐ届いたかなどを解説してくれます。また、シェイクスピアの登場人物に対しての考察も行い、どこで感情が入るかなども話し合います。


ちなみに体験レッスン生の女性の場合、自身の『かわいい声』に少し悩みを持っているとのこと。しかし、真緒さんから見れば「かわいい声で何が悪い?」という考え方で、「まずは一色の声色、自身の軸となる声をしっかり作りましょう。七色の声ではなく一色を作ることで、逆に演技の幅が広がりますから」と、ホワイトボードにひとつの声色を作ることの大切さを書きながら教えてくれます。

そうした、台本の読み合わせ、ヒアリングを繰り返しつつ、次に演じたのはクロートンとイモージェンのやり取りです。ここで面白かったのが、長年、役者をやってきた真緒さんでも『性格がよく分からない登場人物』があるらしく、「クロートンはどんな人?この感情の振れ幅は何?うん?うん?分からない、分からないぞぅ」と言いながら、クロートンを理解しようとしていました。その間は、体験レッスン生も笑いながら「確かによく分からないですね」と、二人でどんな人物なのかを考えながら演じていきました。


このように真緒さんは相手を否定するのではなく、どこにポテンシャルをもっているか?を長年の経験と勘を生かして探り、伝えています。

真緒さんいわく「プロデビューするには素質は大事です。また、数多くのライバルと戦うための武器も必要です。私は不思議なことに勝つ方法を知っています。それを私はお伝えしているだけなのです」と、自身のできることを話してくれました。また、役者という世界で活動していたからこその言葉として「(でも)プロになるにはどうやったらなれるかというと、プロになることは定めなのです。なんせプロはプロなので」と、創作の世界だからこそ言葉では表せられない境地があることを教えてくれました。

大事なのは演技の基礎


真緒さんの養成所では、大手声優事務所の養成所で合格するためのノウハウを教えています。

地方の塾では、演技をするための基礎である、腹式呼吸による発声、滑舌、共通語によるアクセント・鼻濁音・無声化しか教えてくれません。「養成所を卒業しただけで講師が務まってしまうのは、演技するための基礎しか教えられないからなのです」。腹式呼吸なども大切ではありますが、これらは自主トレーニングでも補える部分であるようで、自身で学ぶことができないのが『演技』であるといいます。

この演技という部分で真緒さんが教えるのは、『演技の基礎』で、台本読解、役創り、台詞の表現技法とのこと。この3つは、プロの役者、プロの声優でなければ培われないもので、真緒さんだからこそ伝授できる技術なのです。「セリフを読むには(声の)高い低い、大きい小さい、速度、間、声色があります。役の感情をベースにテクニックを構築しないといけません。当養成所では私が一緒に演技をして、理屈では伝わらない部分、つまりは百聞は一見の部分を体感してほしいのです」。


演者にとって大事なのは知識と技術といいます。そして感情のない演技はありないと話し「現場ではよく何回か演技して『2つ前の感じで演じて』と言われます。感情が入ってないと同じことはできません。役者は0.1秒ごとに自分自身を認識していたい。そのためにも感情の入った演技が大事。そうでないと前と同じ演じ方をしてと言われたときに、対応できなくなります」。このように、演技力を高めることを目指す指導を行ってくれます。

開所してから約4年が経ち、その間に同養成所では2人のプロ声優を輩出しています。「これはまず地方の養成所ではありえないことです。99%の人が挫折する世界で2人もプロが出たことはすごいことなのです。この地に養成所を作った意義があるのだと感じています」と述べ、プロが出入りする本物の場所であることを語りました。

声優養成所Studio ONEの情報はこちら

本気でプロの声優を目指している方、またビジネスシーンで滑舌を直したいや話し方を良くしたい方でもレッスンを受けることが可能です。体験レッスンは無料で行っていますので、まずは体感してみてはいかがでしょうか?
住所:〒581-0836 大阪府八尾市長池町1-49-31


タイトルとURLをコピーしました